野宿でへんろ 足をズリズリ足摺遍路道 その3

夏の終わりに自転車お遍路旅へと出発した。今日は中村(四万十市)から出発、あしずり遍路道を通り、足摺岬に建つ金剛福寺をお参りし土佐清水へとやってきた。しかし財布がないことに気が付き、土佐清水から出発地の中村までバスで往復する破目となる。そして今晩のネグラはまだ見つかっていない。

風呂上りに土佐清水の町をぶらつくと、今日は民宿にでも泊まろうかと心が揺れ始めている。

腹も減ってきた。ペラ焼きってなんだろう。

自暴自棄の今日この頃。知らない町の居酒屋でグデングデンになるのもいいかも。

やっぱ焼肉が最強でしょう。

肉屋さんを見つけて、当初の予定通りやっぱり1人バーベキュー&野宿をすることに決めた。肉屋で肉を、スーパーでカツオのタタキを、そしてビールと明日の朝ごはんを買い込み発泡スチロールの箱に詰め、あても無く1人バーベキュー&野宿ができる場所を求めて彷徨うのであった。

町のはずれの倉庫街でバーベキューしたら、めっちゃ怒られるンだろうな。

土佐清水の町から少し西へ走ると、湾の向こうにリゾートっぽい椰子の木が立っている。

ジョン万ミュージアムというジョン万次郎の資料館のようだ。

ジョン万ミュージアムが建つこの場所は、元々は大阪高知特急フェリーが発着していた「あしずり港」という港だったが、2004年にフェリーが運休してから旅客港の役割を終え、「みなとオアシスあしずり」という観光スポットとなっている。広場にはトイレもあるので野宿できそうだし、海に突き出た堤防でバーベキューもできそうだ。

今晩の寝床が決まり安堵する。沈みゆくきれいな夕日をしばし眺め、少しおセンチになる。今日の日よさようなら。

夕日と入れ替わりに満月が現れる。

堤防では夜釣りを楽しむ人がたくさんいるが、気にせず1人バーベキューの準備を始める。なにせ自転車なのでバーベキューの道具なんかは最小限度の物しか積んで来なかったので、準備ってほどの準備ではない。

バーベキューには炭火コンロが要るが、今日は自転車なので使い捨てコンロを持ってきた。100均ダイソーで300円也、実はコーナンでも298円で同じものが売っている。

アルミ製の使い捨てコンロには針金の足が付いていて地面に直置きにならない優れもの。コンロの中には炭と着火材が仕込まれている。着火材にチャッカマンで火を付けるとあっという間に炎が上がり、やがて炭に引火する。

炭に火が付きイイ感じになるまで、しばしカツオのたたきを第3ビールでいただく幸せ。スーパーで買ったタタキといえど高知のモノは美味すぎる。

オールスターそろい踏み。リュックに入れて持ってきたのは300円コンロと100均で買った折りたたみ椅子と座布団、ランチプレートとフォーク、チャッカマンとランタン、しめて900円なり。土佐清水で調達したのは、カルビとハラミ、カツオのたたきと大根サラダ、ビールと焼肉のタレ。

まだ少し炎が出ているが、もうガマンならんので肉を焼きます。そして食います。

腹が満たされ、着替えを詰めた袋をマクラにして、空にしたリュックを背負い、100均の座布団をおしりの下に敷き、堤防に転がる。銀マットがなくても背中やお尻は痛くない。蚊の攻撃を恐れていたが、海に突き出たこの付近には居ないのだろうか、夜中に目覚めることも無く案外快適に朝を迎えた。どこでも寝られる自分をほめてあげたい。

トイレに行こうと堤防を散歩する。歩きながら澄んだ空気を吸い、朝日を全身に浴びて体を目覚めさせる。昨夜も釣りをしている人が大勢居たが、朝早くからもたくさんの人が釣りをしている。

トイレと洗顔を済ませ、燃え尽きたコンロや食品トレーといったゴミは、建物のゴミ置き場に捨てさせてもらい、みなとオアシスあしずりを出発する。急遽最終日となってしまい悲しいが今日を楽しもう。いきなりの坂道で脚は疲れているが心は晴れている。

坂道を登って行くとジョギングしているご夫婦に出会う。毎日の鍛錬が大切なんだなぁと実感する。

山道を下って行くと眺望が開ける。松崎海岸という名前を見て松崎しげるを思い出すのは自分だけだろうか。

松崎しげる海岸、いやいや松崎海岸は化石漣痕(かせきれんこん)という珍しい地形だとか。化石漣痕は波や水流の影響で堆積物の表面につくられた凸凹がそのまま地層面に残されたのもで、ここ松崎海岸や落窪海岸、爪白海岸では昭和21年の南海道地震により海底より隆起し見られるようになった。

一旦海岸線を離れ内陸へと入る。まぁ田舎だ。

馬がいたり・・・

ネコもいる。

内陸へ入った国道は再び海沿いを走る。どこかで朝めしを食いたいのだが、道の駅めじかの里はまだ開店前だった。国道から少し逸れてみると海岸に公園が整備されている。

三崎浦ニコニコ公園で、おにぎりおかずセットを食べよう。公園には東屋があり、朝日に照らされた海を見ながらおにぎりを食う幸せ。昨日の夕方、土佐清水のスーパーで買っておいたものだが腐ってはいない。

やがて竜串に到着。海岸には変わった地形が多く、海も綺麗で熱帯魚なんかもいるので、グラスボートツアーやダイビングショップが軒を連ねる。奇岩奇勝スポットという事なので、ちょっと観光してみよう。

見残し海岸行きのグラスボート。見残し海岸とは、四国を修行で歩き回られた弘法大師でさえ、歩いて行くにはあまりにも難所なため訪れることができず、見残されたことからその名が付いた。

ダイビングボート準備中、久しぶりに潜りたいなぁ。

奇岩が続く海岸には遊歩道があり岬の周りを歩ける。無数の穴が空いた蜂の巣状の地層は、アーティスティックなのかキモいのか、不思議な気持ちにさせてくれる。

大竹小竹という一直線上に丸みを帯びた節理は、竜串の串の部分。この海岸はおよそ1,500~2,000万年もの昔に堆積した砂岩や泥炭層が地殻変動により約70°傾斜し、風化や海蝕によって削り出されこのような姿となった。

沖に見える千尋岬に見残し海岸があり、弘法大師も見残した。さすがにボートに乗って行ってみる時間はないので弘法大師と同様に見残し海岸は見残す。

竜串海岸の西側には白と赤の海中展望塔がある。

海中展望塔に行ってみよう。

展望塔に行く途中には無料の爪白キャンプ場があったが、今はオシャレなスノーピークキャンプフィールドという施設になっている。

とっても綺麗に整備されているので、当然ながら料金もお高い。

以前はタダでキャンプできたのに・・・

波で削られオーバーハングしている。

鯨の昼寝というお題が付いた岩。たしかに見える~

弘法大師見残展望之跡。この付近も弘法大師は見残したようだ。たしかにこの地域は難所で、トンネルや橋梁が無い時代にはおいそれとは来ることができない。真念僧侶の四国遍路道指南にも、初めての遍路の時は、足摺山(金剛福寺)から信念庵へ一旦戻り、次の寺山院(延光寺)へ行くものだと記されている。

千のこしかけ、椅子っぽいか? 階段はさすがに人工物のようだ。

昭和47年(1972年)にオープンした足摺海底館は、54mの歩道橋の先に全長24.3mの建物が水深7mのところに建っている。風速84.5mまで耐える事ができるらしい。

建物に入りラセン階段を降りた部屋には、直径60cmの丸い小窓が並んでいて海中の様子が見て取れる。サンゴ礁の海を色鮮やかな熱帯魚が泳いでいる。

断崖絶壁の海岸線に造られたサニーロードをひたすら進んでいく。

きっとチ○コ岩だろう。

神秘的に見えるいい色をしている片粕漁港。国道に掘られた片粕トンネルは通らず漁港に沿って進み、朽ち果てかけていて誰も通らない海岸線の旧道を行く。

このルートは最高に景色がよろしい。

のんびりと自転車を漕ぎ、風景を楽しむ。

景色はいいが道はというと路面は荒れていて、ガードレールも朽ち果てている。落ちたりした日にゃその先は断崖絶壁なので助からん。

叶崎の灯台が見えてきた。ちょっと寄り道してみよう。