宝塚小浜宿から武庫川廃線

毎年この時期に人間ドックを受診している。今日は午前中に大阪梅田にある人間ドック施設で受診してきた。最近はリレーマラソンの練習と日本酒を訳あって自己規制しているから良い検査結果が出るんじゃないかと勝手に思っているが、今後の劣化に打ち勝つにはまだまだ食事と運動のバランスが取れてない。欲望のまま食べ、しんどい事から逃げ不摂生極まりないからだ。明日から頑張ろうという負け組発言が自分の心の中でこだまする。午後から時間ができたので、とりあえず自転車に乗りポタリングに出掛けた。

宝塚方面に走り出す。中国自動車道沿いのこの地域は近隣では見かけないほどの田園風景が広がっている。この周囲はほとんどが住宅街だし、遠方の山並みには上の方まで新興住宅地が開発されている。

宝塚インターの北側にある弁当屋さん「ごはんや」。前々から知っていたが今まではお腹のタイミングがあわなっかた。今日は腹ペコなので寄ってみる。メニューは日替わり弁当500円のみとの事。今日はハニーマスタードチキン、唐揚げポン酢、生姜焼きの三種類から選べる。ハニーマスタードチキンをチョイスした。カレー味たま付きだった。感じのいいお姉さんが一人でやっているそう。

中国自動車道をくぐり小浜宿に入る。東門跡に建つ愛宕宮。小さな祠が風情を感じる。

小浜宿は有馬道と京伏見街道の宿場町として古くは旅籠や商家が軒を連ね多くの旅人で賑わっていたようだ。

江戸時代の高札場を再現している。江戸幕府は正徳元年(1721)5月に全国一斉に禁令を公布し、主要な街道筋に高札場を設けた。ここ小浜にも東寺の高札が6枚と慶応二年(1866)の1枚が現存している。目の前に立つ電柱はどないかならんもんかねぇ。

カラー舗装と旧家が建ち並び往時の雰囲気を感じられる。電柱と自販機はいらねぇな。

小浜宿、市場町の旅籠菊仁。

小浜宿橋倉町。秀峰堂。往時の町屋は切り妻平入りが殆どで屋根の高さも平均化され、中二階の桟瓦葺き、おもては虫籠窓に格子、分厚い白壁に骨太い張り、広い間口が特徴で、上がり側を通り庭の土間沿いに三間四間の並び部屋をもつのが標準的であった。阪神大震災により往時の町屋は壊滅してしまったようだ。

北門跡に建つ愛宕宮。赤い欄干は明治8年開通の国府橋。川面まではとても深い。橋の開通前までは川の手前を左に曲がり、いわし坂を下って行く。

小浜宿を抜け有馬道を進むと旧和田家住宅がある。宝塚市の歴史民族資料館となっている。こちらも阪神大震災で打撃を受けたが、ご頭首が家屋の存続を希望され歴史を未来へ繋ぐ努力の結果、資料館として蘇った。

長身で気の良い係りの方が親切丁寧に説明をおこなってくれた。

役人が訪問した際に通される奥座敷。当時この地区の庄屋さんであった和田家は苗字帯刀が許され、村のあらゆる事の取り纏めをおこなっていた。

先代は油絵を嗜んでいたそう。この和田家は高台にあり、裏庭から甲山方面を望んだ風景の油絵を飾ってある。家などほとんど無く田園農村と森林風景が広がっている。

油絵を画いた同じ場所から甲山方向を見ると、隙間無く家々とマンションが建ち並び発展著しい。特徴的な甲山のシルエットは変わっていない。

JR宝塚線。早咲きの桜が春を感じる。

阪急宝塚線。売布神社駅はすぐ横。

中山寺へ続く激坂の巡礼街道。今日は登らない。

宝塚駅から続いている坂道。ベビーカーは大変そう。

宝塚出身の手塚治虫先生が少年時代に昆虫採集に明け暮れた千吉神社。周辺は住宅街が迫って来ているが林は往時の姿を留めている。

畑の畦道を通るとこんもりとした林の中に朱色の鳥居が見える。

手塚治虫 昆虫採集の森とかかれた千吉神社。

連なる鳥居をくぐり石段を登ると小さな社が鎮座している。その後ろには住宅が迫ってはいるが。

木漏れ日がやさしく、静寂な森に包まれなんだか心落ち着く。ごはんやで買ったお弁当をここで食べよう。

「ごはんや」で買ったハニーマスタードチキン弁当カレー味玉つき。すっかり冷めてるがおいしかった。

有馬温泉に続く住宅街となった有馬街道を少し行くと池がある。昔の趣が垣間見れる。宝塚と思いきやこの辺りはなぜか西宮市。

生瀬橋を渡ってみる。

有馬街道は生瀬の集落の中を通る。生瀬に行くには激坂を登らなくてはならない。写真では激坂具合が伝わらないのが残念。

生瀬にある古民家を改装した「ますカフェ」。お茶しようと思ったが今日は閉まっていて残念。

JR生瀬駅。快速は止まらない。

JR福知山線の廃線跡。トンネルはコンクリートで塞がれ、鉄橋は外されている。

有馬街道は現176号線を左に折れて山道となる。今日は176号線を直進してみる。車道は交通量が多く、歩道はめちゃめちゃ狭い。

JR福知山線の廃線跡。この廃線跡はJR武田尾駅までハイキングコースとなっている。武庫川沿いの渓谷をこれでもかと堪能できる。途中には真っ暗闇のトンネルや鉄橋を渡ることもできてとても楽しい。但し、JR西日本は何かあっても自己責任だと。

「今昔マップon the web」。国鉄福知山線、昔は武庫川沿いをくねくねと進んでいた。今はトンネルで一気に走り抜ける。速くはなったが趣はまったく無くなった。

ここを列車が走っていた。3Dスマホカメラの色味がおかしい。

でかい岩がごろごろ。これまた3Dスマホカメラの色味がおかしい。

レールは外されているが延々枕木が残っている。自転車では非常に走りにくい。路肩をジャリジャリと進む。

トンネル内は真っ暗。枕木やジャリ面のへこみもあり思うように進めないので押して進む。自転車には不向きすぎる。

トンネルを抜けると鉄橋登場。

枕木のすき間からは川面が見える。柵があり通れないので横の通路を通る。

秘境感ありあり。

平日なのにハイカーが多い。

鉄橋が木に埋もれている

錆びとるなぁ

何度目のかのトンネル。この辺りはハイキングロードとして整備されている。でも枕木は残っている。

平日なのに親子連れも多い。

トンネル内にある何かを引っ掛けておくステー。

レールが埋没している。

しゃくとり虫。動きが可愛らしい。

またまたトンネル。SL時代かディーゼルのものか、レンガが煙で煤けている。というのがフラッシュ撮影した写真を見て分かった。実際のトンネル内は真っ暗で何も見えない。

自転車を押して歩いたり、乗って走ると枕木の道でケツが痛い。まもなく武田尾。

武田尾「さくらや」のテラス席で焼ぼたん定食と鹿串かつ、猪串かつを喰らう。人間ドックで朝飯を抜いたので弁当に続き2食目。

ついついビールを飲んでしまった。しょうがないのでこの後はJR武田尾駅から輪行で帰る。輪行バックを持って来ていて良かった良かった。