ネカフェでへんろ 土佐黒潮の旅 その2

今回は、祝日と土日のナカ日に1日有休を取り4連休にして、青春18きっぷを使って高知までやってきた。昨日は土佐市役所前バス停から自転車スタート。青龍寺を打ち進み横浪から浦ノ内湾沿いを須崎市まで漕いで来た。須崎での晩ご飯と宿をあきらめ、風呂と晩ご飯と夜の街と宿を求め高知市へ汽車で戻り、今朝、ネットカフェで目覚める。

高知大学近くの朝倉駅横にあるファンキー・タイムは四国全域で展開しているネットカフェ。会員登録320円をケチり、パソコンの無いフラットブースで9時間ナイトパック1,760円なり。田舎のクセにちょっと割高のような気がする。

朝倉駅5時55分発の窪川行きに乗る。ちょいと遅めだがこの汽車が始発なのでしょうがない。終点の窪川駅まで乗れば次の札所 岩本寺は駅からすぐなのだが、須崎駅で降りて自転車で行くのだ。

須崎駅には7時11分に到着。今日は有給、世間は平日なので汽車には通勤通学の人々がけっこう乗っていた。駅前の有料駐輪場に昨日預けた自転車を受け取り、32km先の岩本寺をひとまず目指す。今日の最終目的地は105km先の土佐清水市だが、寄り道グセがあるし、夜道はつまらないので走りたくないし、昔ながらの遍路道を進みたいので77km先の中村(今は四万十市)辺りまでしか進めないかもしれない。

須崎漁港。須崎のゆるキャラは「しんじょう君」。須崎を流れる新荘川で、日本で最後に確認されたニホンカワウソをモチーフにしたキャラクター。2016年のゆるキャラグランプリでなんと第1位グランプリを獲得している。昨日、まゆみの店で缶バッチをゲットした。

魚市場通の面する須崎湾には富士ヶ浜が広がっている。今日はいい天気だろうか。

西浜公園。窪んだ広場に石垣が積まれている。ここは何だろうか?

文久3年(1863年)に完成した土佐藩須崎砲台跡だった。須崎には砲台が西・中・東の三箇所に築かれたが、現存するのはここ西台場だけ。 

説明盤にはこう書かれている。幕末、異国船の来航があり、海岸防備のため藩命により文久3年(1863)7月に着工し1ヶ月半の短時日に完成した。須崎には西、中、東の3カ所に台場が置かれたが、そのうち現存するのはこの西台場のみである。規模が最大で長さ116m、砲門7座、内側に弾薬室が7カ所あったが、明治初年埋められた。この砲台跡は明治40年、須崎町が払い下げを受け、公園として保存してきた。当時使用した砲弾が残っている。慶應3年(1867)8月6日、イギリス水夫殺害事件で公使パークスは土佐藩と交渉するため軍監(バジリスク号)で須崎港に入港し、幕府艦(回天丸)や坂本龍馬も来港して外国交渉の舞台となった。

おむすび・たけざき・玉子焼きという黄色い看板のフレーズに引かれて店に入ってみる。これから仕事に行く職人さんらしき人々で店内は賑わっている。

玉子焼きがメインの品々。玉子焼きのダシは門外不出のダシで、その成分は研究に研究を重ね開発したものらしい。卵焼きとおむすびのセットや玉子焼きとウインナーのセット、玉子焼きと唐揚げのセットなどなど。他にも美味そうな弁当なんかもある。どこか景色のいいところで朝メシにするため調達しておく。

須崎の町を後にして、ひとつ目の峠は分岐点を見落としトンネルを抜けてしまった。

トンネルを抜けると太平洋がわずかに望める。

太平洋を横目に下り坂を楽しむ。

おお~いい景色!

この先、安和の町から久礼の町へ進むには、遍路道で焼坂峠を越えるか、海岸線を行くか、それとも国道か。

青色のルート:国道56号線で行くとトンネルで焼坂峠を貫く、面白くもなんとも無いルート。選択の余地は無い。

赤色のルート:いにしえの遍路道、焼坂遍路道。標高は228mとさほど高くなく、周りの山の方が標高が高いので見晴らしは良くないだろう。

黄色のルート:安和海岸線。太平洋に面した断崖絶壁のルート。距離は長くなるが、黒潮が打ち寄せる絶景が期待できる。

太平洋に面した断崖絶壁のルート安和海岸線は全面通行止めの看板が立っている。自転車なら行けるやろうか? 近くの家のおっちゃんに聞いてみると、「去年の台風で土砂崩れになっちゅう、ずっと工事してるがやき~、最近通ってないき分からんが~」とな。急ぐ旅ではない。とりあえず、行けるとこまでいってみよう。ダメなら引き返えして焼坂遍路道を行けばよい。

おお~やっぱり絶景の予感。

チェーンが張られやっぱり全面通行止め。でも工事期間は3月31日までとなっている。今日は3月22日、あと9日ほど、さすがにもう出来上がっていて最終検収を待つだけだろう、と勝手に解釈して、自己責任でチェーンを超える。

海鵜ってヤツだろうか。

絶景なんだが、天気がイマイチ! 残念!

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スカッと晴れていたら、どんなに気持ちいいんだろう。

断崖絶壁に道を通したので、あちこちに落石防護トンネルが造られている。

太陽よ出ておくれ~

薄曇りは自転車走らすには快適だが、景色がよろしくない。

また走りたいと思うルートだが、次ぎ来るときには車が走っているので、今日のような快適な走りは期待できないだろう。

シブいトンネルがあったり。通行止なので、車が来ない事をいいことに道の真ん中をガンガン走る。

どこかに絶景を見ながらゆっくり座って朝ごはんを食べられるような場所が無いかいな。

夏場は海水浴場になる砂浜があったので、トイレ休憩と朝ごはんにしよう。

須崎の「たけざき」で買った玉子焼きと天むすセットを海を見ながら食う贅沢。

イリコ味噌のおむすび。ウマしっ!

この先はさすがにヤバそう。完全に柵で塞がれ、自転車担いで乗り越えられない。

カツオの一本釣りで有名な中土佐町、久礼の町に到着。

久礼お宮さん通り商店街は、レトロな雰囲気のある活気溢れる商店街。

駐車場には昔懐かしいホーローの看板が貼られている。

あちこちで元気な朝の挨拶が飛び交っている。

久礼大正町市場。レトロな雰囲気の商店街。

美味そうなお店が並んでいるが、まだ9時前、シャッターを開け看板を出し、商品を並べて開店準備をしている。みなさん元気いっぱいだ。

古民家カフェがあったり。休憩したいがまだ開店前。という事で商店街が開くまで海岸で海を見ながらぼーっと待つ。

久礼大正町市場で芋ケンピを味見する。うまっ!

高知の太刀魚は絶品なのだ。以前に高知市内の寿司屋で食べた太刀魚の塩焼きが美味すぎて忘れられない。

という事でレトロ商店街を満喫し、久礼の町を後にし七子峠を攻めに向かう。

久礼の町から岩本寺のある窪川町(今は四万十町)に行くには、どうしても七子峠を登らなければならない。自転車で進めそうなルートは4つ。

青色のルート:国道56号線は以前まで非常に交通量が多く路肩も狭い登り坂で自転車には難所だったが、無料の高速道路が開通してから車の通行量が激減し、ロードバイクには絶好のヒルクライムスポットとなっている。6kmで287m登るので平均斜度は4.7%ほど。長い坂道だが、たいした坂道ではないようだ。

赤色のルート:土佐往還そえみみず遍路道。いにしえから土佐中央部と西南部を結ぶ道として栄えていた。空海もこの道を通ったことだろう。でも標高409mまで登らねばならない。さらに最悪なことに高速道路の工事で山を削り取られ、新しく造られた長い階段の上り下りが必要となっている。

黄色のルート:大坂遍路道。久礼から9割方は路面もよい遍路道らしいが、残りの1割で標高40m地点から一気に287mまで登る。はたして自転車は通れるのだろうか。

もうひとつは、旧国道。今の国道56号線の近くをクネクネと登っていくルート。廃道となり昨今整備されていないため、舗装が途切れたり草ボーボーの場所もあるようだ。これは却下。

 

大坂橋を渡り、成り行きで大坂道を行く事にした。

大坂谷川に沿って七子峠を目指す。川沿いには桜の木、でもまだまだツボミ。2週間後には満開なんだろう。

2000系ディーゼル特急しまんと1号。山あいにエンジン音を轟かせ走り去る。

一夜干し。うまそう。でも、ハエ取り紙がキモすぎる。

田舎の道をのんびり漕いでいるお爺ちゃんをぶち抜く。驚かせてごめんなさい。

道端には小さな祠が並んでいる。やはりこの道は巡礼の道なのだ。

山の谷間に掛かる無機質な橋脚。便利さの代償は昔ながらの景観をぶっ壊す。

下から見上げるが、橋脚が細くて頼りない感じ。

まあ自分もこの前の正月にあの上を通ったけどね。高速使えば高知から窪川なんてあっという間に着いてしまう。

なに植えているんだろう? 作業中の人に聞いてみたが教えてくれなかった。みなさんシャイなのだ。

森が迫り木々でウッソウとなってきた頃、へんろ休憩所がある。休憩するにはまだ早いような。ここまでは大した登り坂でもなく路面も走りやすかった。

ついに山登りの入口に着いてしまった。いきなりの急坂そして枯葉の下に石畳が見え隠れしている。自転車を置いていく訳にもいかない。

イマサラ後には引けず、自転車を押して行くしかない。が、道幅が狭いのだ。

左側はガケ。なのに左側に傾いているへんろ道。これはヤバイ。

ゴミはちゃんと持って帰りましょう。修行になってないぞっと。

右側はガケ。なのに右側に傾いているへんろ道。ここもヤバイ。

椿の花が散らばる急斜面を押し上げる。

左側はガケ。倒木を越えるのも慎重になる。

左側はガケ。小橋を渡るのも慎重になる。

息荒く 愚痴しか出ない へんろ道 ・・・誰とも会わない旅

呼吸はハアハア、心臓バクバク、汗がダラダラ。しかも飲み物がもう無い。もう少しなのか、まだまだなのか、今自分のいる場所が分からない。先が見えないのはツラい事だ。

耐え切れずスマホナビで確認すると、おぉ~もうちょっとじゃないか、やったね~と、ひとり狂喜する。

喜びもつかの間、階段が現れた。自転車を押している今、階段ほどツライものはない。しばらく呆然としていると、携帯電話が鳴る。今日は有給。世間は仕事している。こんな山の中でも携帯に電話が掛かってくる。誰もいない山の中で、仕事の話をする、なんだか新鮮で快感。

おっしゃ! 登ったろう! といっても、自転車は担ぎ上げるしかない。

階段が終わり急坂なのに喜ぶ。

ああ~また階段だ。でも階段の上にゴールが見える。最後の気力を振り絞って自転車を担ぎ上げる。途中で記念に写真を撮るため、一旦下に降りてみる。

もう手にも足にも腰にもドコにもチカラが入らない。後ろ向きにこけそうだ。これぞ「The 遍路ころがし」に違いない。

七子峠に到着でございます。国道を登ってきたヒルクライムのローディー軍団とあいさつを交わす。

七子峠から土佐湾を望む。もっと天気がよければ良かったなぁ。無機質な高速道路もいいアクセントとなっているかも。